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三重、松阪の製材と林業事情

家を建てるときに使う柱や板はもちろん製材所で加工されます。三重県の製材所の数は472工場(平成16年)あり、日本1位の工場数があります。そして、そのほとんどの製材所では原木を自社の山から切り出すのではなく原木市場に買いに行きます。

 原木市場では山林家よりもちよったスギやヒノキを仕分けし製材所の買いやすい様に並べてあります。三重県には10箇所の原木市場があり丸太の生産量は全国で10位、ヒノキはなんと4位の生産量を誇っています。

 三重の木と言われてる物では尾鷲ヒノキやかぶと材、波瀬材、伊賀材、美杉材などがありそれぞれの特徴があります。

 よく「どんな木が高いのですか?」と聞かれますが、とても難しい質問であると思います。木は大根やトマトの様に1年で出来るものではなく、苗を植えて約50年ほどかかります。木の値段はm3(りゅうべ)で表示しますので一般にm3が高い木が高い木になります。また、節がなく、曲がりもなく太くて大きな木ほど高くなります。
柱に関して言えば枝打ち材が1番高くなります。枝打ち材とは木が成長していく過程で枝を払い節のない木を作る事を言います。
鴨居などの造作材をとる木は年輪が細く太くまっすぐなものが良いものとされます。

 また、一般に丸太の長さは3メートル、4メートル、6メートルが90パーセントを占めます。昔はもっと太い丸太もあったのですが、40センチ以上の丸太はあまり出材されません。ですから規格外の大きな製品を作ると少し高くなります。木の値段は一般に流通している物ではない規格外の寸法になると高くなるようです。


さて、ここで三重県の林業地の位置と市場を図で表しておきます。

三重県は縦に長く、たとえば、松阪を基点に上に1時間で東濃ヒノキの林業地へ、横へ1時間走ると、吉野スギ、ヒノキの林業地に、下に1時間で尾鷲ヒノキの林業地に着きます。交通の便もよく三重県の市場には遠くは九州、四国、岡山などからも丸太を買いにやってきます。

 また、三重県の林業地は古くから人工材が進み、速水林業をはじめ、木材の生産を目的とした森が適切に管理され、伐採した後は植林される「循環する森林」をけいせいしています。そうしたその森が適切に管理されている事を証明する世界的な規模の森林認証制度であるFSC認証も全国で20認定のうち6認定が三重県と日本1番です。

 その他、地域的なことを言えば1年じゅう暖かい地方たとえば九州では同じ大きさの径になるのに早く成長しますからそれぞれ年輪が粗くなります
 その点、三重の木は適度な年輪がある良材といえます。

あと、木には心材と辺材がありますが、一般に心材の色は波瀬材やかぶと材はうすピンク色をしており南に行くほど色が濃くなり尾鷲ヒノキはきれいな濃い(?)ピンク色をしています。年輪にかんしても、木は寒い地方(高度の高い)ほど成長が遅いので目がこんだ(年齢が細かい)良材が多くとれます。ただ、人間と同じで80年も生きていると色んなクセたとえば50年前の伊勢湾台風のきずなどがでてきたりします。ですからほんとに無傷の木を見つけることは難しかったりします。

 波瀬材やかぶと材は古くから枝打ちの技術がすすみ無節の柱が多くあります。これに対して尾鷲材は密植林業とよばれ木が生長していく過程で木同士が擦れあい枝が自然におちて無節の目のこんだ良材になります。最近では生き節の木をよくたのまれますが、節のあるものはあまり多く使うと自律神経や生理学的に人に強い影響を与え過ぎたりしますので人にやさしい節の無い木材をつくるのが日本の林業だとおもいます。

 

この地方の木の特長としてアリクイ材(一般にそう呼ばれている)があります。これは暖かい地方に生息するアカネトラウマカミキリと言うかみきり虫が木に卵を産み、木の中で幼虫が孵り、辺材を食べきずになった材をいいます。実験の結果、強度にはあまり影響ありませんが見た目が悪いので普通の値段で売れません。すべての木にあるわけではありませんが、森が手入れされず、ほったからしになった木の折れた枝のもと(死に節)から卵を産み付けるので枝打ちされた木にはみられません。このアリクイ材をいかにうまく使っていくかが今後の一番の問題です。  ※人によります。

 

最後に私たちが勧めるのは、見た目が「木に見える」木目調ではなく、文字通り本物の「木」の家つまり、近くの山の木を伐って製材した、自然なままの木を材料とした家です。
人工的につくられた新建材がいかに扱いやすく、安価に、均一な材を提供するとしても、住み心地は木の家に及びません。住み心地とは、やわらかさ、あたたかさ、見た目の美しさ、香り、安らぎなど、数値になりにくい「気持ちのよさ」が複合したものです。それが木のもつ調温調湿機能からくるのだとか、昔からずーと使ってきているものだからとか、いろいろな説明が可能ですが、木の家に足を踏み入れて「ほっとする感覚」は、とにかく実感してみてこそわかるものです。

 



(三重県木材共同組合連合会よりお写真引用)

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三重の木